今月のキーワードは「配偶者控除」です。
これは読んで字のごとく、相続が発生した際、配偶者の方の納税額が一定金額まで無税になるというものです。
例えば、お父様が亡くなった場合、ご家族がお母様とお子様がお二人の場合、
お父様の財産を相続するのは法定相続割合で言いますと、お母様が1/2でお子様が1/4づつとなります。
この場合で、お母様が受け取る遺産総額が法定相続分もしくは1億6000万円以下ですと、相続税が無税になります。
相続をするご家族にとっては一見とてもいい制度なのですが、ここにはいくつか注意が必要なので、こちらでご紹介したいと思います。
1. 事実婚の配偶者:この点、日本はまだまだ保守的で、婚姻届が出されていない配偶者は法定相続人になることはできませんし、配偶者控除を受けることもできません。
2. 遺産分割が相続税の申告期限までに決まらない場合:上記の例を使いますと、お子様お二人と奥様の間でどのように遺産を分けるかの合意がなされない場合は、配偶者控除の適用を受けることができなくなることがあります。ただし、事前に「申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出しておけば、三年以内なら遡って控除を適用しての相続税の再計算が許されます。
3. 二次相続の計算:こちらが一番重要かつ覚えておかれた方がいいポイントかもしれません。二次相続とは、お母様が亡くなった際の相続を言います。先に亡くなったお父様の相続が一次相続で、次がお母様の相続で、これを二次相続と呼びます。さて、注意点ですが、一次相続で配偶者控除を使い、お母様の納税額がゼロになったとしても、二次相続でお母様からお子様への相続の場合、お母様が100%控除を使って納税額がゼロにせず、いくらか税金を払った方が二次相続まで含めて考えた場合、結果として特するケースがあるのです。こちらは細かい計算になるので、こちらのコラムでは割愛しますが、配偶者控除を使うことが必ずしも特になることだけではないことは念頭に置かれた方がいいかと思います。
相続税の申告には、相続の案件を多く手がける税理士に依頼しないと、後々、トラブルになります。もし、相続をよく知る税理士をご存じない場合は、当社にてご紹介することも可能ですので、ご相談ください。